2015年05月24日

15-10 たからさがし本編(宝川1◆161本目)

 水位:なし

 宝川は、三国山脈の朝日岳(標高1,945m)を水源とし、みなかみ町藤原にて藤原湖(利根川)右岸に注ぐ利根川水系の一級河川です。

 「宝川」と聞くと、なんかめでたそうな、縁起よさげな名前ですが、その実けっこうエグい。単身赴任してた3年前の6月半ばに「たからさがし」と称して一度下見に行ったことがあって、ビビリながらもいつか下ってみたいなあという思いを温めていました。

 水位・水量はインターネットのリアルタイム水位計には出てこないため、予測に基づくしかないのですが、だいたいGWごろに雪どけのピークを迎えるらしい。3年前の下見時でも下れる分の水量は残っていたんで、ちょうど今くらいの時期が初めて挑むにはいいんじゃなかろうかと目論んでおりました。
 といえど、ソロではロワー区間は確実に封印でしょう。アッパーだって道から見えないところ多かったし、かなり不安。しかしそれでも水量次第でいけるだけいったろうと思っておったのですが、土壇場になってQさん、元ヤンとふたりの仲間が参加表明してくれました。すごく頼もしいかぎり。

 道中、Qさんを拾って、二週連続の群馬入り。先週下った湯檜曽川を過ぎて、宝川温泉へ。3年前の記憶を頼りにテイクアウト地点を探しているところで元ヤン氏と合流。元ヤン氏にはGWでお世話になりまくりだったので、手土産のひとつでもと妻に強く言われていたのですが、うっかり忘れてたどころか、愛津ラスクなど、逆にいただく始末でした。終わってます。

 車道から下見を重ねていると、なんか予想していたより水量が少ないという印象。そして、3年前はもっと濁っていた気がします。なんなん、この清冽ぶりは…。

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 後になって考えてみると、この透き通る清流にダマされたんでしょう。あと、いまだによくやらかすんですが、高い場所からだと過小評価しがちです。この時、この水量なら禁断のロワー区間もいけんちゃうの? という気持ちがよぎってしまいました。他2名もおそらく同じ気持ちだったはずです。

 当初テイクアウト地点に考えていたアッパー/ロワー中間地点までクルマで移動。3年前は、この先から崩落しまくりでしたが、治山事業が進み、ずいぶんと復旧が進んでいました。四駆のデカいタイヤならこのまま進めそうですが、当初の予定どおり、ここからハイクアップしました。ダッキーをどうやって運ぶか、いろいろ考えましたが、結局むかし河津七滝の時に使った手法を踏襲することにしました。ダッキーは丸めたまま、タイダウンベルトで背負うというもの。ベルトがだんだんと肩に食い込んで痛むところは膝サポーターをパッド代わりに当てて対応しました。

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 宝川理水試験場からしばらく下流に歩いた場所からプットイン。

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 漕ぎ出しは10時10分ごろ。いきなり大きなドロップがあります。中央は激しく巻いてます。私は緩い左岸側アウトコース、Qさん、元ヤンは右岸側インコースを選択。私は左岸側に辿り着けず揺り戻されて、あろうことか後ろ向きで突入。上々の出だしです(笑)。

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 次はアッパーの核心部。
 一面が岩盤というレア度の高い地形。最もインパクトの強い場所として記憶に残っていました。GoogleMap表記の宝泉峡の場位置とは異なりますが、何かしら名が付けられていてもよさげな景勝です。
 左岸側のメインカレントをまとも下ると下流のまん丸い巨岩にぶち当たり、ログに吸い込まれてしまうので、私はどチキンに右岸ベタのルートから下りました。下見時に気が付きましたが、ここらはまだ根雪が残ってますね。

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 二つめのデカい瀬。川幅一面ドロップです。左岸寄りはマキマキ、右岸寄りが浅いけど抜けていました。ここは全員が右岸ルートでチャレンジ&クリア。

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 ドロップの先には見事なゴルジュが迎えてくれます。

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 ゴルジュを癒され気分で漕いでたら、最後のドロップが予想以上に巻いてました。あやうく沈しそうに…。

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 三つめのデカい瀬は、巨大なドロップ&ホール。先と同様、左岸が巻いてて、右岸ベタが抜けてます。ここも三人全員が右岸ルート狙いで突破しました。

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 その後は林道から見えない区間だったので緊張の面持ちで臨みましたが、木々の間をサラサラと流れゆく超絶癒し系の川相でした。

 中間点まで到着。現在の時刻は11時。

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 所要時間は50分程度でしたが、なんだかあっという間でした。下見時は水量少ないなという印象でしたが、いざ漕ぎ出してみると充分にあって、それなりにパワーもある。全体的に流速が強いので、緊張は解けないですが、思ってた以上にメリハリが効いていて楽しめました。

 さて、どうします…? ナンセンスと思いつつ、いちおう聞いてはみたけど、やはりここで上がろうという選択肢はありませんでした。
まあいいか。核心部の手前までは随時上陸できるんで、ヤバいとなるまでは進んでみよう…。

 ついに後半戦、ロワー部がスタート。

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 ここからは、不思議なくらいに川相が変化します。岩盤系から、岩だらけのクリーク相に。

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 一気にペース落ちました。基本、先が見えませんもん。ちょっと漕いではフネから下りて下見してを繰り返し、ちょっとずつ刻んでいく感じ。なんか岩尖ってそうとか、幅が狭すぎるとか微妙に思えた形状はすべてパス。担ぎもしました。

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 林道の始点付近まで辿り着きました。おそらく、この先が核心部ですが、上陸可能地点はテイクアウト予定地点までおそらくなかったはず。進めばもう、後には退けない。ここまで牛歩ながらなんとか無事に進められているので、覚悟を決めてこのまま突入しました。

 核心部到着。右岸から下見。

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 いやもう、すぐ核心と分かりました。ここだけレベルが違いすぎる。車道から見えていたのはラストだけだったんですね。想定以上の規模と迫力でした。

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 写真一枚では収まりきらない長さです。

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 ここに突入したのは、偉大なる先駆者たちのログを参照するうち、どうやら担げるらしいということが事前に分かっていたからというのも大きい。ルートは見えましたけど、絶対ミスしないかというと心許ない。失敗した時の心身の摩耗を考えると、担いだほうがいいなあと判断しました。
 地形的に見つからんちゃうかと感じつつ、いやあるはず、と藪漕ぎしてポーテージルートを探す。川相を確認しながら行ったりきたりしつつ、ようやく発見しました。

 あとのふたりは…なんと、やるようです。ブレイブだぜ!
 私のボートを下流まで担ぎ、いざという時の回収に備えたところで、斬込み隊長元ヤンから。見てるほうも心臓バクバクです。
 危なげなくクリーンクリア! お見事!

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 元ヤンには核心最後の二段の滝直下のプールで待機してもらったところでQさんが突入。一度バランス崩しましたが、すぐに持ち直しました。態勢を整え直して、二段の滝へ突入! バウが飛び上がってます…がクリア!

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 ふたりとも、漕ぐとは思わんかった。お見それいたしました。いや、ホントすごい。自分の技量によほど自信が持てないとできないですよ。あとはハートの強さですね。とにかくもう、めちゃめちゃかっこうよくて、感動してしまいました。

 私は崖の上を歩き、核心部下でふたりと合流。元ヤンが泳いでました。なぜ…? と一瞬思いましたが、核心部でかなり気力を消耗したんでしょう。実際、ここから先はどことなく顔つきが変わったように見受けられました。
 ここで小休止。核心部に30分ほど要し、現在時刻は12時半。

 核心部は乗り越えましたが、川相はまだまだ都度要下見レベルであることには変わりません。

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 温泉街の入口に差し掛かりました。下る前に橋の上から見積もってたより(最初の写真)、やっぱり全然迫力が違う…。

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 この先はもう、諸事情でちんたら上陸して下見なんてやってられません。一気呵成に下るのみ。一瞬の判断でどんどん漕ぎ進んでいく、さながら実力テストのようです。

 私は核心部で温存していたスイッチをここでオンにした感じですかね。ノンストップでぐいぐい漕ぎ進みましたが、温泉街の最後にさしかかったところで急ブレーキ。
 げっ、滝やん。そういや車道からチラッと見えてました。ここからだと滝の入口しか見えず、滝つぼの形状が分かりません。しかしもう突っ込むしかない。えいやで突入しました。

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 気が付けば水の中。どうやってひっくり返ったか全然分からないくらいに一瞬の出来事でした。
 若干岩壁に張り付きながら、リカバリー。だいぶ水飲んでしまいました。いやーマジ沈するのっていつぶりやろ?

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 あとのふたりは無事に落ちてまして、一息ついたところで再開しましたが、まもなく激痛にさらされます。

 あ、足つった…。
 緊急上陸して筋を伸ばす。緊張、疲労、あと泳いで体が冷えた、水分不足(チンした時に飲みましたが)…、要素が揃い過ぎてますね。また少し休憩させてもらい、痛みも落ち着いたところで再開。

 また大きな瀬が現れたので下見。今度はログ絡みです。ログの入ってる本流はどうあってもいけそうになかったんですが、右岸寄りにルート発見。微妙に落差でかいドロップですが、今までので感覚がマヒしてます。ここも三者全員がクリア。

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 これがラストの瀬になり、ようやくテイクアウト地点に到着。
 時刻は13時7分頃。前半部約50分、後半部約130分の行程でした。

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 ロワー部は、ゴーロ帯が中心の川相。ひとつひとつの瀬の落差が増すとともに、次々と息つく間もなく現れる。必然的に下見を小刻みに重ねるため、中間点から核心部までの約700mを下るのに実に1時間もかかってしまいました。4月に下った日原川の水あるバージョンみたいな感じ? これだけのレベルなのに、核心部はさらに凄まじい。
 温泉区間はアッパー部のような岩盤系に戻り、ルートは選びやすくなりますが、いちいち止まれない(自主規制)点で難度高め。しかしこの漕ぎながら瞬間的な判断でルートを見極めていく下り方は、かなり楽しいものでした。最後の滝は見えないので、突撃あるのみでしたが…。核心を抜けてからゴールまでの約800mは所要時間約40分とだいぶペースアップしました。

 3年越しのたからさがしは、とても満足のいくものでした。
 宝泉峡って呼ばれるくらいですから、宝の水なんでしょうね。たっぷり飲んだからご利益もあるでしょう! たぶん。
 難度的には、過去最高級だったでしょうか。車道が近いし、事前にかなりの部分が下見できていたので、現在地がどこか分からないとか先が分からないとかいう未知に対する不安はなかったのですが、とにかく出てくる瀬が強烈なものばかりでとくにロワー部は緊張しっぱなしでした。おかげでアッパーのインパクトがだいぶ薄れちゃいましたね。

 忘れられない川下りとなりそうです。ご一緒いただいたQさん、元ヤンさん、ありがとうざいました!


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ニックネーム ラナ父 at 04:02| Comment(2) | 関東>宝川 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする