2015年04月26日

15-04 新緑カヌー(日原川1)

 水位:なし(現地確認)

 ★ムービー作成中

 日原川との出会いは、かれこれ7年前に遡ります。これまで通算4回、神庭沢から、氷川管理釣場までの区間を漕破しています。

 2008年(3回) @神庭沢〜管理釣場 ALower区間 BLower区間
 2010年(1回) CLower区間

 さらに神庭沢から上流域(Upper区間)にも興味が湧き、日原トンネルあたりまで下見に行ったこともありました。

 その後は下る機会に恵まれなかったんですが、昨年末吾妻川の際にQさんらと久しぶりにこの日原川の話題が出ました。アッパー区間、そのうち行ってみたいですね〜なんて話していましたが、本日、ついに実現の運びとなりました。

 日原渓谷はまぶしい新緑に覆われていました。3週前のみなかみは雪に覆われていて、その翌週の吾妻川は桜が満開。まるで季節が飛び足で移ろっているように感じられます。生命の息吹を最も実感できるこの新緑の時期が最も好きなんですが、去年の闘病に明け暮れていた頃をどうしても思い出してしまい、一抹の寂しさを禁じ得ずにいます。

 日原川のこの区間は車道(都道204号)からではほとんど下見できません。林道(旧道)を歩けばある程度は可能でしょうが、川見だけで一日潰れそうです。まったく情報のないところでもなし、ここはもう、覚悟を決めて、インとアウトの水量だけ確認して突っ込むことにしました。

 プットインは、小川谷出合から。水量は乏しいですが、素敵な渓相が続いています。

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 しばらく漕ぎ進むと堰堤。その先に橋(巳ノ戸橋)が見えます。堰堤は飛べる形状と高さでしたが、よく見たら鉄筋飛び出しまくりでブーフが確実にできないとダッキーが死んでしまいそう。クリーク艇のQさんは勇敢に飛び越えましたが、自信のない私はポテしました。

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 橋から先は、日原集落。この界隈は釣竿だらけでした。川幅が狭いので、竿が見えたら即上陸を繰り返してましたが、実際ほとんど担ぎ歩きでした。プットインは今後再考の余地ありです。集落の東端に至ると、急に大きな岩ゴロゴロの渓谷相に変化し、それに合わせるかのように人の気配もなくなりました。

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 このまま核心部に突入…? ドキドキドキドキと胸が高鳴る。この先何があるか分からない不安がまたなんとも言えず楽しみでもあります。

 久しく忘れてました。川見から得た情報と自分の経験から判断して、区間を設定して、無事下り終えた時の満足感。ソロではもうずっとやってない気がします。GWにでもやってみたいなあ…。

 いろいろ考えてるうちに、また川幅が広がってきました。あれえっ?
吊橋(旧日原橋)が見えます。日原街道の旧道の名残のようです。つまり、この先がいよいよ核心(と想定している)のトンネル区間ということですね。

 無用の心配でした。左岸が大崩落を起こしている場所あたりから、川相が劇的に変化。
 大崩落を起こした左岸は、石灰岩と思しき白色のガレ岩で埋め尽くされていました。草が生えてなくて、なんだか生々しい。直下の瀬からは、白い岩からにょきにょきと枝が伸びていて…。枝じゃなかった。いや、そもそも岩じゃなくて、コンクリでした。コンクリから鉄筋が飛び出しているのでした。

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 おそらく大崩落で一緒に流された旧道の一部かと思われますが、こんなん突っ込んだら全身穴ぼこだらけになりそうです。
 崩落の上を歩いてポーテージ。
 核心部はまだまだ先に続いていました。鉄筋は消えているようですが、今日の水量だと狭すぎて通れなさそうと判断し、ここもポテ。もったいないけど…。左岸沿いをさらに担ぎ歩きました。

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 再開して少し進むと、ヤバそうなブラインドが見えたのでスカウティング。左岸からオーバーハング状に岩が迫っていて、めちゃくちゃ狭い。座高の高いダッキーにはちょっと微妙なかんじ。首もげるかもしんまいということで、ここもポーテージ。

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 怒涛の核心部はどうやらここで終わった模様。新日原橋(惣岳橋)の跡、樽沢を過ぎたところで、左岸側がまた崩落を起こしていました。えらい荒れてんなあ…。気のせいか、生物の気配をまるで感じない。不思議に思ってGoogleMapの航空写真を見ると、頂上部が石灰の採掘現場(日原鉱床)になっているようで、がっつり削り取られて真っ白になっていました。

 さらに、右、左と蛇行を重ねた先に、またもや左岸が崩落を起こして荒野と化していました。その中に、でっかい錆びた物体が転がっています。
 「…鉄塔?」

 ※鉄塔と当時は思っていましたが、後で調べると「兎峰橋」(とぼう)という名の旧道に架かっていた橋梁の一部らしい。なぜ放置されている?

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 そして、徐々に迫りくる両岸の崖。どうやらゴルジュっぽい。先のほうには、ログがあり得ない形状で積み重なって、十字架のように見えます。
 核心、やっぱり来たなー…。危険なにおいがプンプンします。

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 ※左岸側はがっつり削られて失われていますが、この両岸の岩山は戸望岩(とぼう)と呼ばれる難所だったらしい。

 おそるおそる戸望のゴルジュの中を漕ぎ進んでいくと、度胆抜かれる光景が広がっていました。…違った意味で。

 そこにあるのは、鉄骨の墓場でした。

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 極めつけはこれ。
 なんじゃこりゃ? ありえない。
 大秘境を想像してたんですが、もはや廃墟ツアーですやん。今まで150本を超える河川を下ってきましたが、こんな巨大な人工物が本流のど真ん中に放置されたままというのは過去に例を見ません。

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 そういえば戸望のゴルジュの入口左岸に、橋台のようなものがありました。かつて橋が架かっていたのならその残骸なのか? もしくはゴルジュ手前に転がっていた兎峰橋の残骸の一部なのか?
 無数のログや丸岩と絡み合い、もはやゴルジュと同化しているようにも見えますが…。やっぱりおかしいですよこれ。マジ撤去できないのだろうか。
 「落下物は落とした人の責任が問われます。落下物が原因で事故が起きた場合、落とした人に責任があります」…と思うんですが。マジメに調べてみよう。

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 ゴルジュを抜けると、川相はうってかわって穏やかに。これまでの殺伐とした風景が嘘のように優しい、新緑のトンネルの中を漕いでいきました。

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 神庭沢出合でテイクアウト。
 これで、小川谷出合から氷川の管理釣場までの区間が繋がりました。積年の望みをようやく果たせまして、大満足です。ご一緒くださったQさん、どうもありがとうございました!

 なお、本日の水量は平水だったかと思われますが、ダッキーでは浅瀬でスタック多数、狭くて通れないルートが多数ありました。快適に下るなら、もう少し水かさが欲しいところですが、かーなーり、怖いことになりそうなので、微妙なところです。
 また、さすが首都東京に位置するだけあるというか、ちょいとググるだけで日原川に関する興味深いお話がたくさん出てきました。田舎では情報が乏しく、なかなかこうはいかんのでありがたい。今度訪れる時は、日原の歴史に思いを馳せながら下ってみるのも面白いかなと思っています。

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ニックネーム ラナ父 at 00:22| Comment(0) | 関東>日原川 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする